■ IS(インターンシップ) 9月2日~11日
ここからは、ハンズオンインターン本番の内容について解説します。
ハンズオンインターンは、実稼働日数8日間に加え、前後のオリエンテーションや懇親会などを含めると、約2週間にわたって実施されます。
全体の構成は、大きく以下の3セクションに分かれます。
① オリエンテーション・全体ワーク
② SBU配属後の現場体験
③ 最終振り返り・座談会・発表・懇親会
特に評価に直結しやすいのは、②のSBU配属後の現場体験です。
ハンズオンという名前の通り、学生だけで架空のケースワークを行う一般的なインターンとは異なり、実際に配属されたSBUの業務空間に入り込み、社員の方々と関わりながら課題に取り組む形式となっています。
以下、実際の参加者ヒアリングをもとに、インターン本番の流れを詳しく解説します
ハンズオンインターンは、概ね以下のような構成で進みます。
1〜2日目:オリエンテーション・全体ワーク・オフィスツアー
3〜7日目:SBU配属後の現場体験・個人ワーク・グループワーク
8〜10日目:振り返りワーク・座談会・最終発表・懇親会
28卒のインターンにおけるスケジュールの概要は公式サイトから確認が可能ですので、本コラムではスケジュール表に記載されていない細かい実態を解説していきたいと思います。

全体についてですが、まず最初の2日間は、特定のSBUに深く入り込むというよりも、インターン全体の導入や全体ワークが中心です。
その後、3日目から7日目にかけて、各自が配属されたSBUで現場体験を行います。ここがハンズオンインターンの中核です。
最後の8〜10日目は、全体での振り返りや座談会、最終発表、懇親会などが実施されます。参加者によると、この終盤3日間は半日開催であり、どちらかといえば国で定められている「内定を出すために必要な最低期間」を担保する意味合いもあるのではないか、という印象だったようです。
セクション①:オリエンテーション・全体ワーク
まず、1〜2日目はオリエンテーションや全体ワークが実施されます。
この段階では、まだ本格的な部署配属後のワークには入らず、部署配属とは関係のない7〜8人程度のグループでアイスブレイクを行います。
また、入社式などで実施されるようなコンプライアンス講座もあります。単なる形式的な説明ではなく、入社後も重要になるという前提で行われる、かなり本格的な講座だったようです。
加えて、「きざしWorkshop」と呼ばれるワークも実施されます。
これは、学生一人ひとりがニュースを探して持ち寄り、そのニュースから想像できる未来をPowerPointに書き出して発表するという内容です。参加者全員、約50名が一斉に取り組む形式で、人事ではない社員の方が一人で進行を担当していたようです。
内容としては、デザイン思考に近いワークです。
ただし、参加者の感覚としては、この初期ワークで強く評価されている印象はあまりなかったとのことです。そのため、セクション①は、選考評価というよりも、住友商事の考え方やインターン全体の雰囲気に慣れるための導入として捉えるのがよいでしょう。
最後にはオフィスツアーも実施されます。
オフィスツアーでは、同じ部署に配属される学生と一緒に案内を受けます。ワーク自体はすべて「MIRAI LAB PALETTE」で実施され、最後に本社へ移動してオフィスツアーを行う流れだったようです。
セクション②:SBU配属後の現場体験
3日目から7日目までは、いよいよ各SBUに配属され、現場体験が始まります。
このセクションが、ハンズオンインターンの主要評価期間です。
出社時刻は9時半、退勤は17時45分が基本です。インターン生は原則として強制的に帰宅する形になっていたようです。一方で、社員の働き方は比較的自由で、定時で帰る社員もいれば、その後も残っている社員もいたとのことです。
配属後の内容はSBUによって大きく異なります。
たとえば、リテイルSBUでは、住友商事本社のリテイル部門の区画に入り込み、個人ワーク2回とグループワーク1回に取り組みました。比較的一般的なインターンシップに近いワークベースでの活動だったとのことでした。
一方で、アルミSBUでは福島への訪問があり、実際に取引先の中小企業との打ち合わせに参加したり、製造過程を直接目で見たりする機会がありました。また、カーボンクレジット関連のSBUでは東京証券取引所で歓迎を受けるような機会もあったようです。
このように、ハンズオンでは配属SBUによって体験内容が大きく異なります。単に同じプログラムを受けるのではなく、それぞれの部署で実際の業務や事業領域に近い形で課題に取り組む点が特徴です。
リテイルSBUの具体スケジュール
ここでは、参加者ヒアリングをもとに、リテイルSBUを例に取り上げて具体的なスケジュールを紹介します。
もちろん、年度やSBUによって内容は異なりますが、ハンズオン本番の雰囲気を掴むうえで非常に参考になるはずです。
3日目:部署オリエンテーション・個人ワーク①
3日目は、午前中に会社と部署の説明が行われます。
具体的には、リテイルSBUを含むライフスタイルグループの説明や、部署オリエンテーションが実施されました。ライフスタイルグループの人事、ライフスタイルグループCFO、ライフスタイルグループCEO、各SBUのトップとの挨拶もあり、かなり多くの社員と接点を持つことになります。
午後からは、個人ワークが始まります。
テーマは、メタバース事業に関するリサーチでした。具体的には、メタバース事業で扱っている「Roblox」や「Minecraft」などについて調べ、事業理解を深めていく内容です。
最後には、住友商事の子会社であり、ハンカチなどを扱う小売会社の本店を見に行く機会もありました。店舗訪問時には、女性社員の方から「どのようなお客さんがいて、どう思ったか」といった質問を受けたようです。ただし、この店舗見学自体に強い選考要素がある印象はなかったとのことです。
4日目:個人ワーク①発表・個人ワーク②開始・部署懇親会
4日目は、午前中に前日のワークの続きを行い、昼頃に発表します。
発表は、普通の会議室で社員数名に向けて行われ、その後、議論して終わる形式だったようです。
昼休みには社員との食事の時間がありました。参加者が「この人と話したい」という希望を出すと、その社員を連れてきてもらえることもあったようです。実際に、海外リテイル担当の社員や、海外でバナナを扱っている社員と話す機会もあったとのことです。
食事はすべて社員食堂で行われ、午後からは、2つ目のワークが始まります。
2つ目のテーマは、メタバースでのマネタイズに関する分析です。たとえば、Robloxにおけるマネタイズでは、アバターのアイテムを売ることが一つの収益手段になります。そのため、アバターのアイテムを売るために何をすべきかを分析するワークが実施されました。
テーマは2つに分けられており、1人は「ワールド」ごとに担当し、もう1人は「アバター」ごとに担当する形だったようです。かなり専門用語が多く飛び交うため、事前調べだけでなく、当日渡される資料を早い段階ですべて読み込むことが大きなアドバンテージになるとのことでした。
この日の最後には、部署内の懇親会が実施されました。
参加者によると、ユニット長、女性社員、男性社員3名、学生2名が参加する懇親会でした。なお、インターン期間中に一度だけ部署懇親会に行ってよいというルールが人事から通達されており、この懇親会は住友商事本社ビルで21時まで実施されたとのことです。
懇親会は、選考というよりも交流の場に近いですが、長時間社員と話す機会である以上、自然なコミュニケーションや志望度、現場との相性は一定見られていると考えておきましょう。
5日目:個人ワーク②継続・中間FB・発表
5日目は、丸一日、2つ目のワークに取り組みます。
リテイルSBUでは、学生が部署内の一区画を使ってワークを進めていたため、社員が通りがかりに声をかけてくれることもあったようです。
実際に、社員の方から「君、Xxx出身らしいね」といった雑談ベースの声かけもあり、現場の中に入り込んでいる感覚が強かったとのことです。
ワークの途中では中間フィードバックがあり、最後に発表を行います。発表形式は1回目と同様で、社員数名に対して発表し、その後、議論する流れだったようです。
6日目:グループワーク開始
6日目からは、グループワークに移ります。
テーマは、住友商事のメタバース領域における新規事業です。
このグループワークは、3日目から5日目にかけて実施された個人ワークの内容とつながる形で行われます。つまり、最初の個人ワークでメタバース事業をリサーチし、次の個人ワークでマネタイズについて分析し、そのうえで最後に新規事業をグループで立案するという流れです。
7日目:グループワーク・最終発表
7日目は、丸一日グループワークに取り組み、最後に発表を行います。
この発表は、それまでの個人ワークの発表よりも参加者が多く、ユニット長、女性社員、メンター3名、リテイルSBUの社員複数名が参加していたとのことです。
発表後は、社員との議論やフィードバックが行われます。
この7日目の発表は、SBU配属後のワークの集大成であり、評価上も重要な場面だった可能性が高いです。
実際内定者も、「最終日まではワークの内容が難しく苦戦していたが、必死に食らいついたことで最終日の提案は非常に感触がよかった。最終日はホームランを打った感覚があった。」と口にしていました。
特に気を付けるべきは、ほとんどが現場体験で終わる部署も中には存在し、そういった部署では「社員との仲の良さ」が最重要だという感想もあれば、IT系やメタバース系のようにワーク重視のSBUでは、ある程度の「ワークにおけるバリュー」が求められているような報告もありました。
各部署のワーク内容ごとに見られている部分が違うことも十分に把握したうえで当日はインターンに臨みましょう。
セクション③:振り返り・座談会・最終発表・懇親会
8〜10日目は、いずれも半日開催で、13時から夕方までのスケジュールです。この3日間は比較的ゆるやかな進行であり、社員とのコミュニケーション量の確保にリソースを使うことが良いでしょう。
8日目:きざしWorkshopの続き
8日目は、最初の7〜8人グループとも異なる新しいグループで、きざしWorkshopの続きを行います。
最初に行った個人ワークをもとに、今後の日本がどのような社会になっていくのかについて発表します。いわば、日本の未来社会予測をテーマにしたワークです。
各グループにはホワイトボードが与えられ、一人ずつ考えたことを発表し、他のメンバーがそれを聞いて付箋にメモしていく形式でした。
アウトプットの内容はかなり自由度が高く、中には「技術の発展によって石を食べるようになるのではないか」といった独特な未来予測もあったようです。
9日目:全体座談会・最終発表準備
9日目は、座談会が中心です。
この座談会では、ハンズオンで募集がなかったSBUの社員も参加し、幅広い部署の話を聞くことができます。
形式としては、20分ずつ、1回あたり1人の社員と話す形で、合計5人程度の社員と話す機会があったようです。
この座談会は、配属SBU以外の事業理解を深める上で非常に貴重です。 また、この日は最後の発表準備も行われます。
10日目:最終発表・振り返り・懇親会
10日目は、最後に「SBUでどのようなことを経験したか」を発表します。
発表はMIRAI LAB PALETTEで実施され、その後、本社に移動して懇親会が行われます。
最後の懇親会はビュッフェ形式で、インターン期間中に関わった社員と話したり、他のSBUに配属された学生と交流したりする機会になります。
さて、ここまでのインターン本番のまとめを踏まえて、内定者へのインタビューからは、ハンズオン本番で評価される勝ち筋は大きく2つあることが推測されます。
1つ目は、ワークや議論の中で徹底した優秀さを示すこと。
2つ目は、住友商事との強いカルチャーフィットを示すことです。
もちろん、圧倒的な思考力やアウトプットの質によって評価される学生もいます。しかし、戦術の通り外銀・MBB内定者や突出した専門性を持つ学生が多数参加するインターンで、圧倒的なパフォーマンスを披露することは容易ではありません。
一方で、実際に内定者・参加者へヒアリングを行うと、多くの内定者に共通していたのは、住友商事の社員と非常に自然に馴染み、強いカルチャーフィットを感じさせていた点でした。
実際に、インタビューに回答してくれた内定者・非通過者の双方が口を揃えて、「社員と非常に仲良くなっていた学生は内定していた」と話しています。
もっとも、カルチャーフィットは事前に作り込んで演出できるものではありません。無理に「住友商事らしい人材」に見せようとしても、2週間近く社員と接する中では不自然さが出てしまいます。
そのため最も重要なのは、インターン期間中に社員と積極的にコミュニケーションを取りに行くことです。
ハンズオンでは、ワークの時間だけでなく、昼食、懇親会、部署内での雑談、フィードバックの場など、社員と接点を持つ機会が数多くあります。こうした場面で、過度にアピールしようとするのではなく、自然に会話し、素直に学び、社員との距離を縮めていくことが重要です。
➆最終面接
【選考概要】
⑴面接時間:30分
⑵面接形態:人物面接
⑶面接官:2-3名で志望しているSBU長とグループの人事
⑷面接の流れ (所要時間は一例)
2分 自己紹介
15分 志望動機
10分 パーソナル
3分 逆質問
⑸結果通達:個人差あり。電話。
【特徴】
最終面接は志望動機に加え、将来のビジョン等の質問が増え、全体として住商への志望度を測る質問に比重が置かれる 最終面接となるので、雰囲気は比較的厳かである。
最終面接のあと、別日に人事面接があり、そこでは五大商社のランク付け等、就活状況を問われる
【tips】
ISの振り返りを通して、如何にして商社の業務・住商の風土についての理解が深まったかを示しましょう。特に、組織内でのウェットな人間関係を持つ住友商事の特性を踏まえて、社員との関係構築の中で得たポジティブなエピソードや想いを用意しておく必要があります。インターン本番での体験・記憶を振り返り、住商への想いとつなげて十分に言語化しておくことが大切です。IS中から得た逆質問については高い評価を得る傾向にあるため、逆質問に関しても十分に自分の仮説をもって質問するようにしましょう。
【質問リスト】
・ISの感想
・ガクチカ
・どんな苦労があり、それをどのように乗り越えたか
・why 住商
・why 部署
・ユニットでやりたいこと
・どんな社会人になりたいか
・収益性と社会課題解決のバランスはどの程度が良いと考えるか
・ISを通じて商社パーソンに対するイメージは変わったか
・5,10年後あるいは将来のキャリアビジョン
・商社以外に受けてる業界とその理由
・興味のあるニュース
・逆質問
・最後に一言
➇人事面談
最終面接を通過した後は、人事面談を通じて内定意思や入社意思の確認が行われます。
人事面談では内々定が通告されるため、人事面談が案内された場合は実質内定が得られたと考えてよいでしょう。 ※卒年度により方針の変更は十分に考えられます。
■ 終わりに
ここまで、住友商事ハンズオンインターンについて、選考フロー、内定率、インターン本番の内容、SBU選択の考え方まで詳しく解説してきました。
繰り返しになりますが、ハンズオンインターンは、総合商社志望者にとって極めて重要な早期選考ルートです。インターン参加後の内定率が高いだけでなく、部署確約付きで早期に内定へつながる可能性があるという点で、他の総合商社インターンと比較しても非常に特殊な位置づけにあります。
自分がどのSBUを受けるべきなのか、そのSBUではどのような学生が評価されてきたのか、面接ではどの程度まで商材理解が求められるのか、インターン本番ではどのような振る舞いが評価されるのか。こうした情報を踏まえて、戦略的に準備する必要があります。
今回の記事が、ハンズオンインターンを受験する皆さんにとって、部署選択や選考対策の判断材料になれば幸いです。
今月は以下のコラムについてもすべて無料で公開予定ですので是非ご覧ください。
1. 住友商事 内定者の志望動機
1. C-GAB対策コラム
2. 徹底解説シリーズ 丸紅インターン
3. 総合デベロッパー 選考ターム解説
4. 徹底対策シリーズ コンサル選考
5. トップ戦略コンサルティング(MBB, tier2)の実態 給与と残業のリアル
6. BIG4 の実態 給与と残業のリアル
7. キャリア秘書とは 数百名のOB訪問データ分析 編
総合商社、外資系コンサル、総合デベロッパーなど、難関企業を本気で目指す学生にとって、これまで公開情報だけでは把握しづらかった選考情報・社員情報・内定者の思考プロセスを、できる限り具体的に届けていきます。