今回解説するのは、昨年度、五大商社の中で最速の内定ルートとなった丸紅インターンシップです。
丸紅ISは、夏・秋・冬の複数タームで実施されますが、タームごとに難易度や優遇の性質が大きく異なります。
特に夏経由の優秀者は秋時点で内定に至るケースもあり、住友商事ハンズオンインターンを上回るスピードで内定を獲得できる、極めて重要な早期選考ルートです。
一方で、丸紅ISは「参加すれば高確率で内定」というタイプのインターンではありません。
そこで本記事では、丸紅ISを受験するにあたり、多くの受験生が知りたいにもかかわらず、公開情報だけでは把握しづらい以下の情報について、内定者・参加者へのヒアリング情報をもとに徹底解説します。
■ 本記事でわかること
本コラムを読むと、以下のような情報を得ることができます。
【選考概要】
・内定時期
・優遇の詳細・内定率
・内定者属性 ・再受験可否
【選考フロー・選考 tips】
・選考フロー
・各選考フローにおける詳細とtips
・インターン内容・当日の流れ
・お題に対するアプローチ方法
・評価される立ち回り
■ 目次
本記事でわかること
サマリー
丸紅 インターンシップ 概要
開催時期
内定時期
参加人数・参加者の属性
優遇・内定率・難易度
■ サマリー
時間のない受験生のために、本記事の要点を先に整理しておきます。
【選考概要】
・ターム:夏、秋、冬の3タームで実施 (27卒)
・ターム別詳細:
・夏ターム:8月開催・最速9月内定
・秋ターム:11月開催
・冬ターム:2月開催
・優遇:
夏インターンのみ最終面接直結にて秋内定。
秋冬においては本選考における優遇のみ。
・優遇率:
インターン参加者60名に対しておよそ10名程度に役員面接の案内
・内定率:
役員面接受験者のうち約半数。夏インターンでは6名のみ内定。
・再受験可否:
秋インターン落ちから本選考内定の事例あり インターン間の再受験もタームによって可能。秋で落ちた場合、冬エントリー時に秋の書類が使いまわされる
【インターン概要】
・部門別新規事業立案ワーク
・約70名が6グループに分かれる形式
・各グループが特定部門に割り当てられる・さらに各部門内でA・Bチームに分かれる
・1班は6名程度
・担当メンターの事業部が異なるため、それぞれの事業部の特徴を活かした新規事業立案が求められる
・確認されている部門は、ライフスタイル、金属、エネルギー・化学品、エアロスペースモビリティ、金融・リース・不動産、食料・アグリなど
・ライフスタイル部門フォレスト事業部では、フォレストリソース事業部における新規事業がテーマ・メンターとの壁打ちが1日に数回ある
・最終発表では社員からの質問は少なく、学生同士の質問が多い
・質問時間を積極的に活用すべき
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■ 丸紅 インターンシップ 概要
まずは、丸紅ISの概要について、公開情報だけでは把握しづらい、内定者ヒアリングに基づく詳細情報に焦点をあてながら、以下の順番で詳細にまとめていきます。
➀開催時期
➁内定時期
➂参加人数
➃倍率・内定人数
➄選考フロー
特に、内定時期・参加人数・倍率に関する具体的な数字は、公開情報だけでは把握しづらいポイントです。
開催時期
まず、27卒における丸紅インターンは、夏・秋・冬の3タームにわたって実施されました。夏タームは8月、秋タームは11月、冬タームは2月です。
28卒では、現在夏インターンのみ公開されており、開催日程は8月下旬および9月中旬の2度開催予定です。 いずれも3日間となっています。
開催時期については公開情報でも確認できますので、以下の画像より詳細を把握しておいてください。

ご参考までに、昨年度秋インターンの詳細日程は以下のとおりです。 ※タームごとの正式な日程や詳細な選考フローについては、年度によって変動する可能性があります。
結果については、いずれの選考も一週間程度で結果が通達されます。
➀ 書類 / Webテスト
・期日:9月28日
・結果通達:10月7日
➁ AIケース面接
・面接日:10月13日
・結果通達日:10月21日
➂ 人物面接 ・面接日:10月15日
・結果通達日:10月21日
➃ インターンシップ
・開催日:11月11日~13日
・結果通達日:1週間後
内定時期
次に、内定時期について整理します。
27卒夏インターンでは総合商社最速となる秋に実質内定連絡が行われています。
なお、インターン経由で内定直結となっている選考はサマーインターンのみです。その他タームについては本選考優遇となるため、通常の本選考を受験し、一般的な内定者と同じ時期に内定可否が決定されます。
参加人数・参加者の属性
丸紅ISの参加者層はタームによって大きく差があります。
確認されている情報では、秋タームの参加者は約70名。
参加者は6つのグループに分けられ、各グループが特定の部門を担当します。さらに各部門内でA・Bチームに分かれ、1班は6名程度で構成されます。
参加者のレベルについてですが、確認できている参加者サンプルは以下のようなものです (秋インターンの例)
【学歴・属性】
チーム➀
・東京一科院 1名
・早慶 2名
・上理院 1名
・MARCH 1名
チーム➁
・東京一化科院 1名(帰国子女)
・旧帝院 1名
・早慶 3名(うち1名体育会
・1名起業&帰国子女)
【内定先】
外銀複数内定やMBB・tier2複数内定など外資トップ企業内定者も班員に1~2名。三大商社入社も同数程度確認。
タームによって優遇の強度に差があるように、タームごとの参加者レベルにはバラつきがあります。冬インターン参加者の中には、IS参加者のレベル感は他五大商社のインターンと比較して低い方であると感じたという記録も残っています。
優遇・内定率・難易度
続いて、インターン参加後の優遇について解説します。インターン参加後、優秀な学生には、内定直結の最終面接が用意されています。
しかし、27卒夏インターンにおいては、優遇を獲得した学生は僅か10名~15名程度。インターン参加者のうち2割前後であり、各班から1~2名のみという水準です。
さらに、内定者はその半数程度となる6名でした。
つまり、60名という比較的少ない参加枠を勝ち取ったとしても、早期内定を獲得するには10倍におよぶ倍率を勝ち抜く必要があります。
また、27卒夏インターン経由の内定者は全員が東京一科の院生(早期内定者による情報)であり、アグリやゲノム編集といった総合商社の各事業部に関連した研究実績を持つ院生ばかりでした。
丸紅の採用要件ではOpen採用として扱われていますが、インターンのお題が事業部別であることも踏まえると、実質的なスクリーニング方法は住友商事ハンズオン選考と類似しており、部署別採用の特色を有していると言わざるを得ません。
当然、26卒においては文系学生の早期内定者も確認されており、住友商事ハンズオンでもそういった属性の学生が内定するケースはありますが、就活生にとって変数ではない要素も大きい選考であることを抑えておきましょう。
■ インターン本番
ここからは、丸紅IS本番の内容について解説します。
丸紅ISでは、参加者が複数の部門・事業部に分かれ、それぞれの事業部における新規事業を立案する形式が確認されています。
住友商事ハンズオンのように、特定部署へ長期間配属されて実務に近い経験を積む形式とは異なり、丸紅ISでは一般的なインターンで採用されている「新規事業立案ワーク」を通じて、学生の思考力・チームでの立ち回り・丸紅とのカルチャーフィットが測られます。
タームによるお題の違いは少なくとも27卒時点では確認されていません。
また、確認されている情報では、約70名の参加者が6つのグループに分けられ、各グループが特定の部門を担当していました。さらに各部門内でA・Bのチームに分かれ、1班は6名程度で構成されていました。
A・Bは同じ部門に属しますが、担当するメンターの事業部が異なるため、それぞれの事業部の特徴を活かした新規事業立案が求められます。
つまり、同じ「丸紅IS」に参加していても、どの部門・事業部に割り当てられるかによって、扱う商材・事業領域・ワークの進め方に違いが生じます。
インターンのスケジュール
丸紅インターンの実際のスケジュールを参考に書き直したスケジュール表は以下のとおりです。

スケジュール全体は一般的なインターンと同様ですが、ポイントは人事メンターと営業メンターの2名が交互にチームへ帯同し、ワークのサポートおよび評価を行っていることです。
メンターが2名であるため、伊藤忠商事や三井物産と比較して社員が評価する時間は非常に長くなっています。丸紅とのカルチャーフィットを踏まえると、単にガツガツ社員に話しかけに行けば良いということではなく、ワーク内での細かな立ち振る舞いから「丸紅らしさ」を常に意識しておく必要があります。
とはいえ、メンターは複数班を担当していることが多く、常に細かくフィードバックをくれるわけではありません。参加者の中には、明確なフィードバックをもらう時間はなかったと感じた人もいます。
そのため、メンターとの接点では、単に質問を投げるのではなく、自分たちの仮説を簡潔に伝えたうえで、相手がコメントしやすい形にすることが重要です。
たとえば、
•現時点ではこの顧客課題を想定している
•丸紅のこのアセットを活用できると考えている
•ただし収益化の部分に不安がある
•この方向性について、現場目線で違和感があるか
基本的なタッチポイントの使い方を学んでから本番に臨みましょう。
ワーク内容
丸紅ISの中心となるのは、割り当てられた事業部における新規事業立案です。
お題の一例として、以下のようなものが確認されています。
フォレストリソース事業部における新規事業を立案せよ
単なる架空のビジネスコンテストではなく、丸紅の実際の部門・事業部を前提に、その部門が持つアセットや事業領域を踏まえた新規事業を考える形式です。
事業部の指定以外は非常に高いため、総合商社における新規事業立案の検討プロセスを十分に抑えておくと良いでしょう。
特に、以下のような検討事項は必ず検討してください。
•当該事業領域における解決すべき社会課題は何か
•丸紅は当該事業領域においてどのような課題を抱えているか
•上記2つの交点にある新規事業はないか
•立案した新規事業は顧客や市場のニーズを満たすか
•新規事業の実行にあたり、出資形態やステークホルダーとの協働体制は決まっているか
•丸紅が事業に取り組む意義はあるか
※ 詳細は、総合商社 新規事業立案 対策noteをご覧ください。
昨年度のワークでは、以下の部門がお題として取り上げられています。
・ライフスタイル部門/フォレスト事業部金属部門
・エネルギー・化学品部門
・エアロスペースモビリティ部門
・金融・リース・不動産部門
・食料・アグリ部門
参加者の一例では、ライフスタイル部門フォレスト事業部に配属され、「フォレストリソース事業部における新規事業」をテーマに取り組んでいます。
また、この部門配属は、インターン参加確定後に実施されるAI面接の内容と関連していた可能性があるとの情報もあります。詳細な仕組みは不明ですが、AI面接で話した関心領域や志向性が、配属部門の決定に一定程度影響している可能性があります。
➄ 最終発表
最終発表では、A・Bチームが別々に発表を行います。
確認されている形式では、同じAチームに所属する他部門の発表を聴く形で進み、最後の質疑応答では学生同士の質問時間も長くとられており、内定者曰く積極的にその時間を活用すべきということです。
したがって、最終発表では自分たちの発表だけに集中するのではなく、他チームの発表に対しても積極的に質問・コメントを行うことが重要です。
質問をする際は、単なる確認質問ではなく、相手の事業案を前に進めるような建設的な質問をするように意識しましょう。
ワークで評価される人の特徴
ワーク内での立ち振る舞いの参考材料として、内定者による以下のようなISで感じた社風やエピソードがあります。
金属部門で行う新規事業を考えていたが、モビリティ部門の既存事業を活用したいという話になった時、メンターの方が同僚のモビリティ部門の方を呼んでくださり、お話を聞かせてくださったのが非常に印象的だった。チーム意識の強さみたいなものを感じた。チーム内でも常にチームメンバーと協働しようという意識を持つようにしていた。
参加者からは、社員はおとなしめの人が多く感じたという声がやはり多くありました。「ガツガツした商社マンタイプ」よりも、穏やかで協調的に周囲と関わりながら価値を出すことを意識しましょう。
実際、最もワーク内で議論を推進していた戦略コンサル内定者が優遇を得られていなかったというケースも複数確認されており、内定者の殆どは、メンターから「チームの雰囲気を良くしている」「フット感が良い」といった評価を受けています。
ただし、MBB内定者においては比較的議論をdriveし、ハッキリと意見を表明していた学生も内定していたことから、単に自己主張があってはならないということではありません。
内定率を鑑みても、まずは新規事業立案ワークでチームNo.1であることは必須条件です。十分なジョブ対策を行った上で、チームワークについては以下のような点を意識してみると良いでしょう。
・賢いが、発言で出しゃばらない
・チームの雰囲気を良くする
・相手の意見を活用する
・穏やかで協調的なコミュニケーションができる
最終面接・役員面談
丸紅ISで優遇を獲得した学生は、役員との最終面接に案内されます。その後人事との面談がありますが、一般的な内定直結ルートと同様、選考要素は役員面接に組み込まれており、インターン参加後約1週間後に電話で案内がくるようです。
非常にオーソドックスな最終面接のため、概要を抑えつつ、入念な準備をしましょう。
【基本情報】
⑴ 面接時間:30分
⑵ 面接形態:人物面接
⑶ 面接官:3名(50代:役員2名+人事課長)
⑷ 面接の雰囲気:雰囲気は全体的にカジュアル。40代の管理職は少し鋭め。若手の面接官は1年目なのか、かなり緊張しており、スムーズな面接とは言えなかった
⑸ 選考のtips:AIケースと同時に評価される。IS参加者を見るとAIケースは4~5点の人が多かったので人物面接で差がついていると思われる
【特徴・tips】
半分くらいがガクチカ、残りの半分で役員の深堀。人事面談では選考状況は受けている業界、志望順位を聞かれるため、しっかりと
志望動機の深堀はそこまできつくない場合もありますが、間接的に聞かれる場合が多いようです。ストレートな質問出なかったとしても、丸紅に対する志望度やフィット感と矛盾しない回答を意識しておきましょう。
【質問例】
Q. 自己紹介をしてください
Q. 学生時代力を入れて取り組んだことはなにか
Q. 丸紅の素直な印象を教えてください
Q. OB訪問でどんな人が良いと感じましたか
Q.
Q. 強みはなにか
Q. 業務は一人でやっているのか
Q. 具体的にどう仕事を振り分けているのか
Q. 仕事をするにあたってアドバイスの仕方とか気を配っていることはなにか
Q. 同じように頑張ったエピソードは他にあるか
Q. ESの「大切にしている価値観」のところに書いていた高校時代のエピソードについて詳しく教えてください
Q. 逆質問
【内定者の声】
結局はインターンでの評価が良かったことが最大の内定要因だと思う。
志望度の高さ(本心から丸紅に行きたかった) から、丸紅がいいというのを面接でも人事面談でもずっと話していた。 ガクチカの感じも丸紅に寄せて話していたため、丸紅との相性は十分にアピールできたと思っている。
■ IS落ち・非優遇でも本選考内定は狙える
丸紅ISにおいて、最も重要なポイントは、再受験可否についてです。
丸紅ISは、確かに優遇を得られれば非常に強い早期内定ルートになります。しかし、ISで落ちたからといって、本選考での内定可能性がなくなるわけではありません。
むしろ、IS落ちや非優遇から本選考で内定する学生が殆どであり、「内定を取るための一発勝負」ではなく、「丸紅の評価基準を理解するための重要な機会」として挑戦してみてください。
よほどのフィット感のズレがない限り、何度も受験することはむしろ志望度を示すことにもなります。
夏・秋のターム選択は慎重に行いつつも、本選考前に自分と丸紅の距離を測る練習として、受験してみることを推奨いたします。
丸紅対策noteでは、丸紅の参考評価基準等にも触れながら、ガクチカの構成や志望動機の作り方を解説する予定です。
是非こちらもご覧ください。
■ 終わりに
ここまで、丸紅インターンについて、選考フロー、内定率、インターン本番の内容、SBU選択の考え方まで詳しく解説してきました。
繰り返しになりますが、丸紅インターンは、総合商社志望者にとって極めて重要な早期選考ルートです。インターン参加後の内定率が高いだけでなく、部署確約付きで早期に内定へつながる可能性があるという点で、他の総合商社インターンと比較しても非常に特殊な位置づけにあります。
自分がどのSBUを受けるべきなのか、そのSBUではどのような学生が評価されてきたのか、面接ではどの程度まで商材理解が求められるのか、インターン本番ではどのような振る舞いが評価されるのか。こうした情報を踏まえて、戦略的に準備する必要があります。
今回の記事が、丸紅インターンを受験する皆さんにとって、部署選択や選考対策の判断材料になれば幸いです。
今月は以下のコラムについてもすべて無料で公開予定ですので是非ご覧ください。
1. 住友商事 内定者の志望動機
2. C-GAB対策コラム
3. 総合デベロッパー 選考ターム解説
4. 徹底対策シリーズ コンサル選考
5. トップ戦略コンサルティング(MBB, tier2)の実態 給与と残業のリアル
6. BIG4 の実態 給与と残業のリアル
7. キャリア秘書とは 数百名のOB訪問データ分析 編
総合商社、外資系コンサル、総合デベロッパーなど、難関企業を本気で目指す学生にとって、これまで公開情報だけでは把握しづらかった選考情報・社員情報・内定者の思考プロセスを、できる限り具体的に届けていきます。