【部署別の採用データ】
・リスクマネジメント:参加枠6名・内定3名
→いずれも外銀,MBB,三大内定により辞退(27卒)
・アルミSBU:参加枠2名・内定1名(26卒)
→アルミ×脱炭素研究院生
・エネルギー鋼管SBU:参加枠3名・内定2名
・鉄鋼原料・炭素SBU:参加枠3名・内定2名(26卒)
→いずれも帰国子女・うち2名体育会かつ院生、内定者は鉄鋼研究
・自動車流通販売SBU:参加枠6名(27卒)
・リテイルSBU:参加枠3名・内定1名(27卒)/参加枠3名・内定2名(26卒)
→専門院生なし。学部生が例年参加実績あり
・経理:内定1名(26卒)
→内定は東京一科商業系、MARCH学生の参加実績あり。いずれも簿記保有。
・アニマルヘルスユニット:参加枠3名・内定0名
続いては、ハンズオンインターンで多くの受験生が悩む「受験部署の選び方」について解説します。
各部署の定員は殆どの部署1~3名と非常に少ない中、どのような属性の学生が競合となるのか。特に文系学生にとっては「理系の専門分野に近い領域を扱う部門を受けても問題ないのか」などが気になる方も多いはずです。
実際に各SBUごとに、過去データから確認できている特徴をいくつか紹介します。
鉄鋼原料・炭素SBU
2年間のデータに基づいて、最も属性の偏りが大きかったのが鉄鋼系部署です。
特に26卒では、参加者全員が数年以上の海外経験を有しており、ネイティブレベルの英語力を持つ帰国子女でした。実際にハンズオン本番では、海外クライアントとの英語ミーティングに同席する機会もあったようです。
鉄鋼・資源系の部署では、海外企業や海外拠点とのやり取りが多く発生するため、業務特性上、語学力はかなり重要な要素になると考えられます。
また、26卒の鉄鋼系参加者3名のうち2名が、体育会かつ院生かつ帰国子女という属性であり、内定者は鉄鋼分野を専門とする学生でした。
面接で対峙する社員も非常に体育会気質な傾向があり、ノンバーバルで押し負けないことも求めらるとのことです。
鉄鋼系SBUを受験する場合は、単に英語ができるだけでなく、海外経験・タフネス・資源ビジネスへの関心を、かなり明確に示す必要があるでしょう。
アルミSBU
アルミSBUも、専門性との接続が強く見られた部署の一つです。
26卒では複数名がインターンに参加していましたが、最終的な内定者はアルミに関連する研究を行っている院生でした。特に、アルミと脱炭素に関する研究テーマを持っていたことが、部署との親和性を示す大きな要素になっていたと考えられます。
アルミは、素材そのものへの理解に加え、脱炭素・軽量化・サステナビリティといったテーマとも密接に関わります。そのため、理系院生や素材・環境・エネルギー領域に関する研究経験を持つ学生は、志望動機を作りやすい一方で、文系学生には突破困難といえるでしょう。
エネルギー鋼管SBU
エネルギー鋼管SBUも、やはりエネルギー系の研究院生にアドバンテージがあるSBUです。一方で、後述するアニマルヘルスユニットなどと比較すると、エネルギー系全体として内定者枠は安定して確保されている傾向があります。
内定者枠が減少した27卒でも3名のうち2名が内定しており、参加さえすれば内定枠は十分に用意されていると期待することができるでしょう。
アグリ事業SBU
アグリ事業SBUも、専門性や研究分野との関連性が見られる部署です。東京大学・京都大学における農学系の研究院生は例年優秀な傾向にあるため、過去の参加者にもそういった属性が多くなっています。
アグリ領域は、食料安全保障、農業生産性、肥料、農薬、サプライチェーン、気候変動など、社会課題との接続が非常に強い領域です。単に「食料問題に関心があります」というレベルでは、専門性を持つ学生との差が出やすい部署でもあります。アグリSBUについても研究や経験の関連性がない学生には非常に出願しにくい部署だといえるでしょう。
なお、実家が農家であるなどの背景を理由に、農業領域への課題意識や関心を語るケースは、総合商社就活全体で散見されます。しかし、大学等で当該領域に関与していない場合は、話の一貫性が欠如してしまうため、アグリへの関心理由としてはあまり社員から良い反応が得られる話し方ではありません。十分に一貫性をもって志望理由を語ることができる部署を選択することを推奨いたします。
経理
経理部門は、比較的幅広い大学群から参加実績がある一方で、会計知識や経理領域への関心を裏付ける経験が求められる部署です。
実際に、MARCHの学生にも参加実績がありますが、当該学生は簿記1級を保有していました。また、26卒内定者は東京一工・商学系の学生のみであり、一定以上の会計知識や経理領域への関心が評価されていると考えられます。
そのため、経理部門は一見するとコーポレート系で受けやすそうに見えるかもしれませんが、実際には「なぜ経理なのか」「なぜ総合商社の経理なのか」「会計知識をどう事業に活かしたいのか」を語れる必要があります。
学歴だけで判断される部署ではない一方で、会計・財務に関する知見や資格、学部での専攻、関連する経験など、関心の裏付けとなる材料はかなり重要です。
ここまで紹介した部署は、いずれも専門性やバックグラウンドとの接続が強く見られた部署です。
一方で、必ずしも専門分野との直接的な関連がなくても、内定実績が多く確認されている部署もあります。
当然、関連がないから内定しやすいということではありませんが、以下に属性相関の小さい部署を紹介しましょう。
リスクマネジメント
リスクマネジメント部門は、参加人数が他部署と比較して圧倒的に多い部署です。26卒では6名がインターンに参加し、27卒でも5名が参加しました。参加者数は例年最も多くなっております。
しかし、参加人数が多いからといって難易度が低いわけではありません。むしろ、内定者のレベルは他部署と比較しても非常に高い傾向があります。
例年、外資系投資銀行内定者が多く出願しているとされ、実際に27卒では、6名の参加者のうち、3名が内定するも、全学生が住友商事の内定を辞退しました。内定者はそれぞれ外資系投資銀行・MBB・三大商社への入社を決めており、三菱商事・三井物産などのファイナンス系部署に入社するレベルの学生が面接で非通過となる例も散見されております。応募する場合は、金融知識や事業投資への関心だけでなく、数字を適切に扱う能力を明確に示す必要があることを理解しておきましょう。
裾野は広いものの、ライバルのレベルが高いSBUとして認識しておく必要があります。
また、ハンズオンでは各部署ごとに小さなワークを幾つも繰り返すため、事前対策が難しい傾向があります。一方、リスクマネジメントは、個人課題で4日間しっかりと時間をかけて行うため、事前に情報を収集して対策すれば内定への再現性は高くなることが期待されます。
キャリアカタログでもリスクマネジメント対策コンテンツを公開予定ですので是非ご参加ください。
アニマルヘルス事業ユニット
アニマルヘルス事業には、時折獣医学関連の研究を行っている学生のエントリーが見られますが、例年の参加者から突出した研究実績や分野の関連があったわけではありません。
しかし、こちらのユニットについては、27卒で3名が参加したものの内定者は0名でした。
専門分野の関連性が低い分、内定者としてアピールする要素が非常に難しいのも特徴です。しかし、28卒でも募集が公開されているため、今年度は1名以上の内定が期待できるという見方もあります。
建機ソリューションSBU
建機ソリューションSBUでは、専門分野との直接的な関連がない学部生の内定実績があります。
建機領域は、素材・化学・会計などと比較すると、大学で直接的に専門として学んでいる学生が多い分野ではありません。そのため、研究分野や専攻との接続が必須になりにくく、事前準備によって十分に戦える余地がある部署だと考えられます。
ただし、専門性が不要という意味ではありません。実際、建機SBUの内定者は、商社就活を始めた段階から建機領域に強い関心を持っており、本選考においても十分と言える事前知識をハンズオン選考の段階で身につけていたようです。実際、建機関連のOB訪問を実施し、住友商事の面接でも建機への強い関心を語っています。「なぜ建機なのか」「建機ビジネスのどこに面白さを感じているのか」について、論理だけではなく実際の建機ビジネスへの解像度を高めることさえできれば、文系学生や無属性の学部生にとっても、準備次第で勝負しやすい部署の一つだといえるでしょう。
自動車流通販売SBU
こちらもリスクマネジメントと並んで参加定員が非常に多い部署です。
27卒では5-6名が参加し、内定者も出ています。
モビリティ関連の研究院生も見られますが、流通販売という比較的下流の領域であるため、各属性にチャンスのあるSBUであると言えるでしょう。
一方、事業投資の側面は持ちつつもやはりトレーディングが起点となる部署でもあります。配属確定であることを加味して本当に自分が興味の持てる領域かどうか、一度十分に調べておくと良いでしょう。
リテイルSBU
リテイルSBUも、全く専門分野と直接関係のない学生の内定実績が確認されている部署です。
実際に、東京一工・早慶ではない、全く研究分野の異なる学生の内定実績もあります。ただし、その学生もリテイル領域の中で特定の分野に対して強い熱量を示していました。
リテイルSBUについても、必ずしも専門分野や学歴だけで評価される部署ではありませんが、「リテイルに興味があります」という抽象的な志望動機では足りず、リテイルの中でもどの領域に関心があるのか、なぜその領域なのか、住友商事のリテイル事業で何を学びたいのかを明確にする必要があります。
なお、26卒では3名の参加枠が用意されており、途中で辞退した1名を除く2名がいずれも内定しました。しかし、うち1名は外資系投資銀行内定者であり、依然として参加者・内定者のレベルは高いです。
また、27卒では前年と比較して内定者数が絞られており、3名が最終面接に呼ばれたものの、採用枠は1名のみだったという情報もあります。
リテイルSBUは準備によって乗り越える余地がある部署である一方、年度によって採用人数が大きく変動する可能性がある点には注意が必要です。
また、参加人数についても、リスクマネジメント部は26卒時は6名が参加。1名の部署も存在していたため、6倍もの枠の差があることになります。
以上を踏まえると、SBU選択では「興味がある部署」を選ぶだけでは不十分であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
理系院生・帰国子女・体育会・外銀内定者・会計資格保有者など、強い属性を持つ学生が集まりやすい部署では、単なる関心だけでは競争が厳しくなります。
対して、建機やリテイルのように、専門分野との直接的な関連がなくても内定実績がある部署では、事前準備と志望動機の作り込みによって十分に戦える余地がありますが、それ故に応募者の殺到が予想されます。
したがってSBU選択では、単に人気部署や興味のある商材で選ぶのではなく、「自分の過去経験から説得力を持って語れる部署か」「競合となる学生と比較して勝ち筋があるか」という観点で検討することが重要です。
それぞれの一長一短を理解して後悔のない選択しましょう。
※最後に改めて各部署の参加者数と内定者数をまとめておきました。ぜひ参考にしてください。
・リスクマネジメント:参加枠6名・内定3名
→いずれも外銀,MBB,三大内定により辞退(27卒)
・アルミSBU:参加枠2名・内定1名(26卒)
→アルミ×脱炭素研究院生
・エネルギー鋼管SBU:参加枠3名・内定2名
・鉄鋼原料・炭素SBU:参加枠3名・内定2名(26卒)
→いずれも帰国子女・うち2名体育会かつ院生、内定者は鉄鋼研究
・自動車流通販売SBU:参加枠6名(27卒)
・リテイルSBU:参加枠3名・内定1名(27卒)/参加枠3名・内定2名(26卒)
→専門院生なし。学部生が例年参加実績あり
・経理:内定1名(26卒)
→内定は東京一科商業系、MARCH学生の参加実績あり
・アニマルヘルスユニット:参加枠3名・内定0名